INTERVIEW

唯一無二の場所、竹田で夢の生活を叶える。

自然に触れる第一歩としてキャンプやアウトドアを始めて、休日だけでなく日常でも楽しみたいと田舎暮らしを考える方も多いのではないでしょうか?今回は看護師としてのキャリアを持ち、竹田に移住した女性をご紹介します。

 

 

竹田市久住町、ダイナミックなくじゅう連山と草原の絶景が拡がる、アウトドアやドライブロードとしても人気の高い観光スポットです。雄大な自然に囲まれた一軒家に暮らしている、井戸真由美さん。竹田への移住までの経緯や現在の暮らしについて伺いました。

プロフィール

井戸真由美 
兵庫県川西市出身。看護専門学校入学とともに大阪に移り、看護師として三次救命救急、急性期病院で30年以上勤務する。SSTT(外傷外科手術治療戦略コース)コース開発看護師インストラクターや講師としても活動する。令和5年4月に大阪から竹田市久住町に移住。現在は社会医療法人社団大久保病院2病棟副師長として勤務している。

  • 移住するまでの経緯を教えてください。

    井戸さん:私が看護師を目指したきっかけは、不純なのですが、とにかく自立をしたいっていう想いがあったんです。自分の足で立つというか、それには経済基盤が絶対必要で。本当は絵を描くのが好きでイラストレーターになりたかったんですけど、高校時代に先生に相談したら、「そんなの絶対食べていけないから、やめときなさい」って。
    どうしようと考えた時に母が助産師をしていたこともあって、医療系ならと大阪の全寮制の看護専門学校を受けて、そのまま就職し、そこで30年以上働いてきました。

    井戸さんが住んでいた関西空港の対岸にある泉佐野市

    井戸さん:夫は東京出身なんですが、夫婦ともに都会の喧騒が苦手で、いつかは田舎暮らしをしたいと考えていました。ここ数年でキャンプが好きになり、特に焚き火をするのが大好きで、自然豊かな場所で暮らすことが夢でした。
    夫はピアノを弾くのですが、大阪ではマンションだったので電子ピアノでヘッドフォンつけて、だから「いつか生ピアノを弾きたい」って言っていて。「焚き火ができてピアノの音を出しても大丈夫なところ、そうなると、ある程度の広さがあって、できればポツンと一軒家がいいよね?」みたいな、もうすごく贅沢なことを言っていて(笑)。数年前から移住先を九州に決めて、ネットで情報収集をし続けていました。

  • 移住先に竹田を選んだ決め手は何でしたか?

    井戸さん:九州には、三次救命センター勤務時に外傷外科手術治療戦略コース研修のインストラクターとして何度か訪問していて、住みやすいなと漠然と思っていました。他の土地と比べても九州はなんか違う。明るくてキラキラしているように私には感じられたんですね。
    特に阿蘇。夫と車で全国旅行もしていたんですけど、「何かわからないけど阿蘇はいいよね」って。パーっと開けているのもあるし、何て言うのかな?カラっとしていて、すごく光を感じる。スピリチュアル的にっていうか(笑)。気持ちが明るくなるんです。阿蘇くじゅう地域が大好きになり、自分の終の棲家はその辺りがいいと数年前から思っていました。

    阿蘇山が見える夕刻の久住高原

    井戸さん:定年退職後に何年間かかけて物件を探せばいいやん?って話していたんですけど、夫が竹田市にすごくいい中古物件があるって見つけて。不動産に問い合わせしたら、先約の方が急遽キャンセルされたらしく、「明日来れますか?」って。
    それまで竹田のことを知らなかったんですが、たまたま仕事の休みのタイミングも合って家を見に行きました。まさに庭で焚き火ができそうなポツンと一軒家で、めちゃくちゃ気に入りました。帰りに車で走っていたら、「ここ、阿蘇やん!」って。

    冬の久住高原

    井戸さん:久住なんですけど、ほぼ阿蘇というか、熊本との県境で阿蘇くじゅう国立公園内でもあるし。目の前に広がる絶景が素晴らしく、家から5分ほど走ると童心回帰農場もあって、「ロード・オブ・ザ・リングやん!すごい!フロドがいそう!」って、盛り上がりました(笑)。
    物件を購入するとなってから、この土地の素晴らしさに気づいたんですけど。もう即決でした。1週間前には知らなかった物件をもう買ってるぞ、みたいな。阿蘇と同じくらい美しい地域なのに、物件価格が安いのもポイントでした。本当にラッキーだったと思いますし、家に呼ばれたのだと思います。

  • 生活を始める準備はどんなことをしましたか?

    井戸さん:物件を購入してから数年は別荘として利用するつもりでした。定年退職まで4~5年あり、仕事を辞めるとは考えてなくて、大阪から通って生活に必要なものを揃えていきました。こっちに来ても全く遊ぶ暇もなく、前の方が残していたゴミの片づけや草刈り、DIYしながら住みやすくしたり、結局ほとんど作業していて。月に一度、夜勤明けに飛行機で通っていたんですけど、だんだん大阪に帰りたくないな、こっちに居たいなと。夫はテレワークなので1ヶ月ほど滞在していたんですけど、「ずっとこっちに居れるから、ずるい」って私が言ったりして(笑)。
    でも、一緒に作業した方が早く捗るんじゃない?往復が無駄じゃない?と思い始めて。「もう退職金減るけど、いっか!」って、移住を早めることにしたんです。

    井戸さん:大阪のマンションの維持費も無くなるし、久住に居たら、もうそんなに旅行に出かけることもないし。むしろここが観光地みたいで、どこにも行きたくない。もうここに居るだけで幸せ。家でコーヒー飲んでいるだけでも幸せなんですよね。
    移住してから、家の修繕費に竹田市の補助金を活用できたのは有り難かったです。塗料を買ったり、屋根のトタンを替えたり。家にウッドデッキがあるんですけど、去年降った雪が屋根の上で凍り、カチカチの氷がドーンと落ちてきて、トタンに穴が開いたんですよ(笑)。

    甘えん坊猫のギャーテちゃん

    井戸さん:それと移住を早めた理由にはもう一つ、猫が来たんですよ。最初は逃げてたんですけれど、猫が大好きでご飯をあげていたら、すごく懐いてしまって。
    久住の冬はめちゃくちゃ寒いじゃないですか。猫用のかまくらに電気こたつを入れて毛布でふわふわにして、居ない時のご飯は時間になったら自動で出るのを設置していたんですけど、1ヶ月も冬にほったらかすのは心配で、やっぱり移住を早めようってことになったんです。
    ガリガリの子猫だと思っていたんですけど、猫を獣医さんに見せたら11歳でした。それからバクバクものすごい量を食べて、みるみる大きくなって毛も生えて、でっかい猫になってしまいました(笑)。野生の猫だったんですけどね。

  • 住んでみて感じた、竹田の魅力を教えてください。

    井戸さん:移住後は大阪時代では考えられなかった事ばかりです。まず温泉が豊富で料金も安いので、仕事帰りに寄れる事に幸せを感じます。仕事から帰って、そのまま庭で焚き火やBBQが出来る事も本当に贅沢ですね。この夏は庭に蛍が飛んでいたのでびっくりしましたし、夫は「玄関に国蝶のオオムラサキが留まっていた!」と大興奮していました。空気も綺麗で自然に囲まれていて、夜には満天の星空で、都会の喧騒とは無縁でいつも癒されています。

    夕刻のくじゅう連山

    井戸さん:毎日の通勤路では、桜並木と菜の花がいっぱいの道、四季折々の花、水を張った田んぼが鏡のように久住山を映す様や、実った稲が金色海のように波打つ景色など、久住高原の四季を感じながらプチドライブを楽しんでいます。
    夏の時期は庭の草刈りなどで休日も忙しいですが、それが逆にメンタルには良いと感じます。やる事が多く自然と触れ合う時間が長いと、鬱になる暇もない。都会は逆に悩む時間が多い事が悪いと改めて感じます。

    友人が来たら案内する絶景のパワースポット、黄牛の滝

    井戸さん:城下町、滝や神社など飽きない楽しい場所が多いので、県外の旅行にはほとんど行かなくなりました。竹田市内観光だけでも見どころが多く、未だに時間が足りなくて、行けていない所だらけです。こんな景色の中に自分がいられることが幸せで、竹田は唯一無二の場所だと思います。

  • 都市部から移住して、不便な点はありましたか?

    井戸さん: 元々ネットが大好きでインドア派なので、それほど不便は感じてないです。竹田市のネット環境は大阪のマンション時代よりも速度が速くて快適です。自動車の運転も好きなので、むしろ信号や渋滞が少なく、大阪時代よりも疲れないと思います。ネット通販も3日以内に届くし、Amazonはその日のうちに荷物が届く事もあって驚いています。
    家の井戸水は飲用に適さないので不便ではあるけれど、竹田には湧水が多く、買い物ついでに汲んで帰ります。野菜も道の駅とかですごく安くていいのが買えるし、本当に満足しています。

    井戸さん:ただ、大好きなエスニック料理専門店や夫が大好きなフグ料理専門店などは竹田市内にないので、どうしても食べたい時に大分市内まで行く必要があることに不便を感じる程度で。他には好きなコンビニまで車で40分くらいかかるというのが残念な点でした。
    あとは、久住地域ならではですが、夜は街灯が皆無で道路には歩道が少ない為、大阪時代に大好きだった夜のウォーキングがほとんど出来なくなったことですね。せめて歩道さえあれば、などとよく夫婦で話しています。

  • 都市部の病院から転職して、感じていることはありますか?

    井戸さん:移住後の転職先には大久保病院を選びました。自宅から近いことと、診療所ではなく病院の方が今までやってきたことが活かせるだろうなと思っていたので。転職する時は年齢のこともあり自分が役に立てるのだろうかと不安もありましたが、とても温かく迎えていただき、安心して働ける環境だと思いました。

    社会医療法人社団大久保病院

    井戸さん:竹田市は全国に先駆けて超高齢化が進んでいて、患者さんは100歳が珍しくなく、看護師も60代70代の大先輩が生き生きと働いていて、一人一人がこの地域の医療を支えていくという気概と誇りを持っていて、自分も微力を尽くそうという気持ちになりました。

    「遠いところから、よう来てくれたなぁ」と泣いて喜んでくださった患者さんも

    井戸さん:大久保病院に来て、大阪では本当に恵まれていたなと思ったのが、やっぱり人員です。病床数も違いますが、毎年50人ほどの新卒者が来て、教育をどうしようか?みたいな事を言っていましたが、すごく贅沢な悩みだったなと感じています。
    竹田に来てから、人手不足を痛感しますし、医師や看護師だけでなく介護スタッフ、事務職の方々もお互いにカバーし合いながら回しています。地域医療は大都市圏の医療とは違った面の難しさもあって、看護師・医療職としての経験という意味でもとても勉強になっています。

  • 竹田のひとの印象はいかがですか?

    井戸さん:優しいと思いますね。竹田に限らず大分県全体に感じますが、温泉地で観光客が多いからか比較的外部の人に寛容で、良い意味で放っておいてくれる人が多いと感じます。適度なパーソナルスペースをキープしてくれるっていうか、距離感がすごくいいと思います。
    久住だと牧草地を耕して次の作物を植えたりと年中動いて忙しくされている方が多いから、人の噂話や干渉なんてしてる暇ないんだろうなと思います。人柄もおおらかだし、竹田の人は、はんなりしている?、品もあって可愛らしい人が多い印象も受けます。

    長湯温泉しだれ桜の里

    井戸さん:大分県って郷土食がやせうまだったり、結構甘いものが多くて、糖尿病率も高くて不健康なのかなと思っていたんですけど、健康寿命がすごく長くて。何だろう?って思っていたら、温泉ではないかなと思うんです。水も本当に綺麗だし、だから長寿なんじゃないかなって。
    あと、農業とか働いている人が多いですよね。だから若々しいのかなって。この辺りに住むと身体を動かさざるを得ないですよね。草刈りとか、そういう運動。基準がある意味高いというか、大阪の85歳と比べるとお元気です。運転も日常的にしているし、すごいです。田舎暮らしはのんびりと思っていたのですが、のんびりとは違います(笑)。何もすることないのが、都会だと思います。

  • これから移住する方へのアドバイスをお願いします。

    井戸さん:現代と一昔前では、田舎や地方へ移住する事の意味が大きく変わったと思います。それはネットの存在です。光ファイバー通信やネット通販などが発達した現在では、私はインドア派ほど田舎暮らしに向いているのではないかと感じています。
    一方で、イベント参加や食べ歩き、ショッピング、集まりなどが大好きなアクティブ派ほど都会が向いています。地方に住むと家の修繕や庭の手入れなど、色々と自分で行う必要もあるので、自分で色々調べてDIYが出来るネット世代にこそ、実は向いているのではないかと思います。

    社会医療法人社団大久保病院

    井戸さん:地方では常に医療職が不足しているので、医療者は移住先でも就職先が見つけやすいと感じます。ネットを活用した仕事や医療職、そういったライフスタイルを持っている人にこそ、竹田移住の可能性を提案したいです。
    竹田市の存在を知ってもらえれば、魅力は絶対に伝わるのになぁと思っています。移住は無理という人でも、20代30代で都会に疲れてしまった人が数年間竹田市で働いて、価値観を広げてみるのも良いのではないでしょうか。子育てが終わった40代50代の看護師も2~3年お試しで住んでみて、気に入ったら永住老後の住処としてどうですか?という感じで、お勧めしたいですね。

    久住高原をバイクで走りたくて中型免許を取った井戸さん

編集後記

念願の家に出会い、久住の生活を楽しそうに語ってくださった、井戸さん。看護師という職を極め、夢の生活を手に入れた、ひとりの女性のサクセスストーリーを聞いているようでした。竹田の地に出会い、新たな人生のステージへ踏み出された井戸さん。医療職ならではの様々な生き方や選択肢があることを提案いただきました。少子高齢化が進みつつある竹田市ですが、だからこそ一人ひとりの力が偉大であり、発揮できる環境があります。
ぜひ旅をするように、軽やかなに竹田に来てみませんか?休日の楽しみが日常になる、そんな生活が待っています。

 

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